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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科52巻4号

2017年04月発行

文献概要

整形外科/知ってるつもり

3Dプリンターを用いたComplete Fit Brace(CFB)の開発:castに替わる固定法

著者: 加賀望1 山田晋2 島田洋一2

所属機関: 1北秋田市民病院整形外科 2秋田大学大学院医学系研究科整形外科学

ページ範囲:P.356 - P.361

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はじめに

 骨折の保存療法としては,castを用いた固定法が一般的である1).Castを体表形状に合わせて巻きつけているが,体表との間に綿包帯などが介在するため,固定力・適合性に限界がある.また,固定の際に患者に疼痛を与えてしまう場合もある.

 近年,3Dプリンターは医療分野において急速に普及しつつあり2),整形外科領域でも多用されている3).骨折手術や脊椎外科,骨軟部腫瘍領域などで術前の正確な立体認知のために3次元モデルを作製したり,術前手術シミュレーションや術中ナビゲーションが行われている4-6).また,カスタムメイドインプラントも実用化されている7,8)

 現在,筆者らはcastに替わる新しい固定法として,3Dプリンターを用いた“Complete Fit Brace(CFB)”を開発し,臨床に応用している9).本稿では,実際の症例を提示し紹介する.

参考文献

1) 南野光彦,澤泉卓哉,伊藤博元.保存療法の適応と限界.関節外科2009;28:1049-54.
2) 森 健策.総論:3Dプリンタの医療応用の現状と展望.INNERVISION 2015;30:40-4.
3) 土井章男.7.整形外科領域.整形外科領域における3Dプリンタ活用法.INNERVISION 2015;30:60-1.
4) 中原龍一,野田知之,島村安則・他.骨折治療への三次元実体模型の応用.骨折2011;33:738-42.
5) 山崎正志.頚椎・胸椎手術における3次元実体模型の有用性—術前手術シミュレーションおよび術中ナビゲーション.J MIOS 2008;49:25-34.
6) Wong KC, Kumta SM. Computer-assisted tumor surgery in malignant bone tumors. Clin Orthop Relat Res 2013;471:750-61.
7) Berasi CC 4th, Berend KR, Adams JB, et al. Are custom triflange acetabular components effective for reconstruction of catastorophic bone loss? Clin Orthop Relat Res 2015;473:528-35.
8) Wong KC, Kumta SM, Geel NV, et al. One-step reconstraction with a 3D-printed, biomechanically evaluated custom implant after complex pelvic tomor resection. Comput Aided Surg 2015;20:14-23.
9) 島田洋一,加賀 望,本郷道生・他.3Dモデル・3Dプリンターを利用したリハビリテーション領域の整形外科手術.関節外科2016;35:42-8.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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