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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科52巻5号

2017年05月発行

文献概要

誌上シンポジウム 成人脊柱変形の目指すポイント PI-LL≦10°,PT<20°はすべての年齢層に当てはまるのか

成人脊柱変形の治療目標

著者: 中尾祐介1 佐野茂夫1

所属機関: 1三楽病院整形外科三楽脊椎脊髄センター

ページ範囲:P.423 - P.428

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 50歳以上の成人脊柱変形77例の術前後のアライメントを年代ごとに比較した.50〜79歳では術後PI-LL<10°の群のアライメントは良好であり,PI-LL<10°は術前の目標になり得ると考えられた.一方で80歳以上では術後PI-LL<10°群とPI-LL≧10°群のsagittal vertical axisに有意差はなく,PI-LL<10°は目標として不十分と考えられた.術後にSVA<40mmかつPT<20°となるためのPI-LLは,50〜69歳では-0.8°,70〜79歳では-3.8°であったが,80歳以上では-10°であり,高齢者ほどより大きな局所の矯正を要していた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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