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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科52巻6号

2017年06月発行

文献概要

連載 慢性疼痛の治療戦略 治療法確立を目指して・9

漢方製剤

著者: 三潴忠道1

所属機関: 1福島県立医科大学会津医療センター漢方医学講座

ページ範囲:P.546 - P.549

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漢方医学的な認識:『寒』の確認

 漢方製剤は元来,漢方医学的な基本ソフトの上で発達したため,症状や病名だけではなく,漢方医学的な考え方も導入して処方したほうが臨床効果を得やすい.疼痛に関する漢方製剤の使用においては,特に病態の寒・熱の判断が重要である.寒の病態では,寒冷刺激で悪化しカイロや風呂など温熱刺激で症状が緩和されることが多く,問診すると冷え症状が存在する.寒に対する代表的な漢方薬の附子(キンポウゲ科トリカブトの塊根)は鎮痛作用も強く,慢性疼痛は寒を伴うことが多いためしばしば応用される.非適応(寒が存在しない)病態では中毒の危険もあるが,寒を確認して少ない量から使用する.附子中毒については,最後に述べる.

参考文献

1)平田道彦.慢性疼痛疾患における心理的因子を漢方的に診る.慢性疼痛2014;33:63-70.
2)光畑裕正.なぜ,『漢方』は現代医療に用いられているのか? 慢性疼痛の漢方治療.痛み・冷え・気に対する処方.順天堂医学2012;58,403-8.
3)三潴忠道.はじめての漢方診療ノート.東京:医学書院;2007.p.16,42,102-5,etc.
4)三潴忠道.変形を伴う関節痛に:桂枝芍薬知母湯.米延策雄,菊地臣一,柴田政彦(編集).長引く・頑固な・つらい痛みの薬物療法2011(運動器編).東京;シービーアール:2011.p.126-7.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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