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メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患と軟部腫瘤
著者: 林克洋1 土屋弘行1
所属機関: 1金沢大学附属病院整形外科
ページ範囲:P.660 - P.663
文献購入ページに移動図1は70代の女性で,関節リウマチでメトトレキサート(MTX)を内服している患者である.左肩の腫瘤の訴えがあり,前医でCTを撮影したところ,棘下筋から三角筋内に辺縁中心に造影される5cm大の腫瘤と,多発する肺結節が指摘された.胸部単純X線写真でも結節影は確認された.FDG-PETでも肩の腫瘤にSUVmax 12.9の集積を認めたが,CTの造影所見同様,内部の集積は極度に低下しており,壊死傾向の強い腫瘍病変などが考えられた(図2).肺の病変や腋窩リンパ節などにも集積を認めた.悪性腫瘍で増大傾向が早いものでは内部壊死が強く出ることがあり,高悪性度軟部肉腫と多発転移に矛盾しない印象であった.
確定診断のために当院に紹介され,針生検を施行したが,採取された検体からは壊死組織のみとの結果であったため,全身麻酔下の切開生検を追加した.術中迅速病理診断でも,壊死組織のみとの結果であり,3回目の採取で最終的に細胞成分が得られた.低分化の腫瘍細胞が認められ,免疫組織化学染色などの結果を総合し未分化肉腫と診断した.肩原発の悪性軟部腫瘍と多発肺転移と考えられ,治療方針を検討したが,高齢であり積極的な化学療法は懸念され,原発巣の広範切除術も機能障害が大きく,患者と話し合いのうえ,経過観察の方針とした.
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