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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科52巻7号

2017年07月発行

文献概要

臨床経験

新しい巻き爪,陥入爪の治療—爪軟化剤,βチタン弾性ワイヤー,ネイルタワーを用いて

著者: 岡田菊三1 岡田英次朗2 橋本玲奈3

所属機関: 1岡田整形外科 2東京都済生会中央病院整形外科 3

ページ範囲:P.691 - P.698

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背景:疼痛を伴う著しい巻き爪,陥入爪を切除せずに1日〜数日で治療する報告はない.

対象と方法:変形の著しい有痛性の巻き爪16例,肉芽と疼痛の著しい陥入爪16例(陥入爪分類Ⅱ〜Ⅲ型),合計32例に爪軟化剤を用い,前者には開孔法,後者には有鉤ワイヤー法の治療を行った.

結果:巻き爪では81%は1日で,19%は2日で整復を得た.陥入爪では全例1日で整復し最短4日,中央値13日,最長17日で炎症の消退と治癒を得た.

まとめ:従来の治療法に比べて爪を切除せず温存し,低侵襲と短い日数で良好な整復と炎症の消退を得た.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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