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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科52巻7号

2017年07月発行

文献概要

症例報告

外傷後播種性血管内凝固による大腿部筋肉内血腫の1例

著者: 白井雄1 黒住健人1 田島紘己1 北村大祐1 鈴木卓1 新藤正輝1

所属機関: 1帝京大学医学部付属病院外傷センター

ページ範囲:P.699 - P.702

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 血腫形成そのものを契機とした播種性血管内凝固(DIC)が原因で大腿部筋肉内血腫が難治性となった症例を経験したので報告する.症例は69歳男性,駅のホームから転落受傷し,左大腿部筋肉内血腫を形成した.血腫によるコンパートメント症候群のため減張切開を行った.閉創術後に血腫形成を繰り返し原因検索を行ったところ,血腫形成そのものによる慢性DICという診断となり,血腫の除去およびDICに対する治療を行い治癒した.血腫を繰り返す場合にはDICといった血液学的異常も念頭に置く必要がある.

参考文献

1) 山下英樹,遠藤宏治,尾崎まり・他.大腿に発生した巨大な血友病性筋肉内血腫の1例.整外と災外2012;61:815-8.
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3) Boral BM, Williams DJ, Boral LB. Disseminated intravascular coagulation. Am J Clin Pathol 2016;146:670-80.
4) 川杉和夫.慢性DIC.臨床病理レビュー2004;130:41-6.
5) 瀧 正志.播種性血管内凝固.小児科診療2014;77増刊号:456-9.
6) 内山俊正.第一世代のDIC治療.輸血.臨床病理レビュー2011;147:147-51.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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