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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科52巻8号

2017年08月発行

文献概要

調査報告

50歳以下の健常者における床に座り,床から立つ能力と肩,腰,膝の痛み経験との関連性

著者: 戸田佳孝1

所属機関: 1戸田整形外科リウマチ科クリニック

ページ範囲:P.775 - P.779

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背景:51歳以上では床に座り立つときに手や膝を突く群は突かない群に比べ,6年以内に死亡する確率が2倍高いとの報告がある.

対象と方法:本研究では50歳以下41歳以上の102例の健常人を,肩か腰か膝の痛みの経験の有無によって既往歴あり群となし群に分類し,床に座り立つ能力に関する指数を比較した.

結果:腰痛既往歴あり群(23例)の指数は6.8±2.4点であり,なし群(79例)の8.2±1.9点に比べて有意に低かった(P=0.007).

まとめ:腰痛の既往歴があれば骨盤の前後傾が困難であることが多く,そのため床に座り立つ能力が劣ると考察した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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