臨床整形外科52巻8号

2017年08月発行

境界領域/知っておきたい

たこ・うおの目

著者： 渡邊孝治¹

所属機関： ¹わたなべ整形外科クリニック

ページ範囲：P.786 - P.788

はじめに

　「たこ」，「うおの目」はそれぞれ「胼胝」，「鶏眼」の俗称である．胼胝や鶏眼で困っている人は，整形外科だけではなく皮膚科や形成外科を受診することも多い．私見であるが，皮膚科や形成外科では胼胝・鶏眼という皮膚の角質異常に注目され，局所の治療で終了していることが多い印象を受ける．胼胝・鶏眼は摩擦や圧迫などの慢性的な刺激により，生体の生理的な防御反応として全身のどこにでもできうる．われわれは，胼胝や鶏眼は摩擦や圧力の要因が取り除かれれば，徐々に小さくなり，治ることを知っている．整形外科医として胼胝や鶏眼を診察するときは，われわれの得意な荷重バランスやアライメントについて考察し，胼胝・鶏眼の原因を考えながら治療をしていくとおもしろい．

参考文献

1) 山口益己．日本語の語源探訪．東京：文芸社，2007．

2) 知里真志保．地名アイヌ語小辞典．北海道：北海道出版企画センター；1984．

3) American Academy of Dermatology. Dermatologists share tips for treating corns and calluses.https://www.aad.org/media/news-releases(2017年6月18日アクセス)