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症例報告
若年発症頚椎化膿性脊椎炎の1例
著者: 丸岩侑史12 福田健太郎1 高橋勇一朗1 吉田祐文2
所属機関: 1済生会横浜市東部病院整形外科 2那須赤十字病院整形外科
ページ範囲:P.919 - P.922
文献購入ページに移動症例は26歳男性,背部痛と発熱を主訴に救急外来を受診し,CRP28mg/dLと高値を認め,不明熱として入院となった.血液培養は陰性で,頚椎単純X線像でも異常を認めなかった.右示指しびれと筋力低下が出現したため,発症から10日後に頚椎MRIを施行した.C6/7椎間板腔から波及する硬膜外膿瘍を認め,頚椎化膿性脊椎炎を診断した.安静と抗菌薬による保存療法により治療開始から3週でCRPは陰性化し筋力も回復した.頚椎装具を装着して離床し,再燃なく退院した.起炎菌,感染経路は不明であった.
化膿性脊椎炎は免疫力の低下した高齢者や中高年に好発し,健常な若年者への発症は稀である.本症例のような下位頚椎発症では単純X線像で異常を認められないこともあり,早期診断のためにはMRIは必須であるが,何より丁寧な理学所見と本症を念頭に置くことが重要である.
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