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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科53巻10号

2018年10月発行

文献概要

誌上シンポジウム 原発巣別転移性骨腫瘍の治療戦略

甲状腺癌骨転移の治療

著者: 森岡秀夫1

所属機関: 1国立病院機構東京医療センター整形外科・骨軟部腫瘍センター

ページ範囲:P.889 - P.895

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 分化型甲状腺癌骨転移は,溶骨性変化を生じるため病的骨折を起こしやすい.骨転移によって失われた骨の支持性回復や脊髄圧迫による麻痺改善を目的とした外科的治療を行うことは他の癌種と同様だが,局所の根治性も念頭に置いた手術計画が望ましい.骨転移を生じた後も,比較的長期の予後が見込まれることがその理由である.131I治療の適応にならない骨転移に対する外科的治療は,甲状腺癌に対して分子標的治療が導入された現在でも有用な選択肢である.したがって,可能であれば局所切除は積極的に行い,骨欠損部を再建する手術を目指すことが重要である.

参考文献

1) 高見 博,森 昌朋(編).甲状腺疾患治療マニュアル.東京,南江堂,2002.
2) 厚生労働省がん研究助成金.がんの骨転移に対する予後予測方法の確立と集学的治療法の開発班(編).骨転移治療ハンドブック.東京,金原出版,2004.
3) 日本整形外科学会骨・軟部腫瘍委員会(編).全国骨腫瘍患者登録一覧表.国立がん研究センター,東京,2014.
4) 日本臨床腫瘍学会(編).骨転移診療ガイドライン.南江堂,東京,2015.
5) Nakayama R, Horiuchi K, Susa M, et al. Clinical outcome after bone metastasis (BM) surgery in patients with differentiated thyroid carcinoma (DTC):a retrospective study of 40 cases. Jpn J Clin Oncol 2014;44(10):918-25.
6) Matsumoto M, Tsuji T, Iwanami A, et al. Total en bloc spondylectomy for spinal metastasis of differentiated thyroid cancers:a long-term follow-up. J Spinal Disord Tech 2013;26:E137-E142.
7) Orita Y, Sugitani I, Toda K, et al. Zoledronic acid in the treatment of bone metastases from differentiated thyroid carcinoma. Thyroid 2011;21(1):31-5.
8) 下方智也,安藤雄一.甲状腺癌:臨床医が今知っておかなければならないこと.甲状腺癌の分子標的治療(解説/特集).日本甲状腺学会誌2015;6(1):30-6.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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