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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科53巻4号

2018年04月発行

文献概要

臨床経験

手MP関節周辺骨折に対するナックルスプリントの有用性

著者: 山本大樹1 多田薫1 中嶋宰大1 中田美香1 松田匡司1 土屋弘行1

所属機関: 1金沢大学大学院医薬保健学総合研究科医薬保健学域医学類機能再建学整形外科

ページ範囲:P.347 - P.353

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背景:ナックルキャスト法はMP関節周辺骨折に対する有用な外固定方法である.その固定肢位をより容易に実現するために装具(ナックルスプリント)を作成した.

対象と方法:ナックルスプリントを用いて治療した23例に対し,後向きに調査を行った.

結果:装具装着期間は平均4.3週間で,全例で骨癒合が得られた.1例のみ伸展拘縮を認め,3例で装具による皮膚障害がみられた.

まとめ:ナックルスプリントは理想的なMP関節固定肢位を容易に実現することが可能であり,MP関節周辺骨折の治療において有用な外固定装具であると考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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