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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科53巻7号

2018年07月発行

文献概要

論述

ロコモチェック陽性項目数は健康関連QOL(HRQOL)を反映するか?—Preliminary Study

著者: 重松英樹1 岩田栄一朗1 田中誠人1 奥田哲教1 森本安彦1 川崎佐智子1 増田佳亮1 山本雄介1 田中康仁1

所属機関: 1奈良県立医科大学整形外科学

ページ範囲:P.609 - P.612

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背景:ロコモチェック(以下,ロコチェック)はロコモティブシンドローム(以下ロコモ)の簡易なスクリーニングツールである.7項目中の陽性該当項目数が対象者の健康関連QOL(HRQOL)を反映するのか検討した.

方法:健康イベントで参加いただいた20歳以上の成人男女85名(20〜30歳:7名,31〜40歳:13名,41〜50歳:14名,51〜64歳:31名,65〜74歳:13名,75歳以上:7名)が対象である.アンケートでHRQOLの評価であるEQ5D,EQVASとロコチェックを施行した.また立ち上がりテストと2ステップテストを用いてロコモ度を求めた.

結果:ロコモ度1は35名(41.2%),ロコモ度2は5名(5.9%)であった.平均のロコチェック陽性該当数は,非ロコモで0.5,ロコモ度1で1.4,ロコモ度2で4.2と,ロコモ度が上がると該当項目数も有意に増加していた.ロコチェック該当項目数とEQ5D,EQVASの相関係数は−0.26,−0.30であった.

まとめ:ロコチェック該当項目数はロコモ度を反映している可能性を示唆した.しかしながら対象者のHRQOLとの相関関係は低く,ロコチェックを用いて対象者のHRQOLを推定するのは難しいと判断した.

参考文献

1) 日本整形外科学会(編).ロコモティブシンドローム診療ガイド2010.東京;文光堂.2010.
2) Noge S, Ohishi T, Yoshida T, et al. Quantitative assessment of locomotive syndrome by the loco-check questionnaire in older Japanese females. J Phys Ther Sci 2017;29:1630-6.
3) Seichi A, Hoshino Y, Doi T, et al. evelopment of a screening tool for risk of locomotive syndrome in the elderly:the 25-question Geriatric Locomotive Function Scale. J Orthop Sci 2012;17:163-72.
4) Hirano K, Imagama S, Hasegawa Y, et al. The influence of locomotive syndrome on health-related quality of life in a community-living population. Mod Rheumatol 2013 ;23:939-44.
5) Iizuka Y, Iizuka H, Mieda T, et al. Association between “loco-check” and EuroQol, a comprehensive instrument for assessing health-related quality of life:a study of the Japanese general population. J Orthop Sci 2014;19:786-91.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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