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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科53巻7号

2018年07月発行

文献概要

症例報告

外傷後腕尺関節癒合症の1例

著者: 抽冬晃司1 北田真平2 正田悦朗12

所属機関: 1兵庫県立西宮病院整形外科 2兵庫県立西宮病院四肢外傷センター

ページ範囲:P.649 - P.653

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 外傷後腕尺関節癒合症の1例を経験したので報告する.19歳女性,高所から転落し受傷した.右肘頭骨折,右上腕骨遠位端開放骨折を認め,受傷10日目に観血的骨接合術を施行した.術後2カ月で腕尺関節が癒合したため,術後10カ月で関節形成術を施行した.分離部には反回骨間動脈を茎とする有茎筋膜脂肪弁を移植した.その後は屈曲110°,伸展−30°と可動域の改善を認め,腕尺関節の再癒合なく経過している.本症例では,外傷後腕尺関節癒合症に対して有茎筋膜脂肪弁移植を用いた関節形成術を行い,良好な結果が得られた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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