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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科53巻8号

2018年08月発行

文献概要

臨床経験

足趾把持力と動的バランスの相関性について

著者: 戸田佳孝1

所属機関: 1戸田整形外科リウマチ科クリニック

ページ範囲:P.731 - P.734

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目的:星形遊脚バランステスト(star excursion balance test:SEBT)は,動的な安定性を機能的にスクリーニングする方法として用いられている.この研究では動的な姿勢制御における足趾把持力の役割を探った.

方法:関節と体幹に痛みがない120例の成人においてSEBTと足趾把持力の相関性を評価した.

結果:SEBTの身長に対する後外側および後内側到達方向への到達率は足趾把持力と有意に相関した.

まとめ:後斜めへの転倒は大腿骨頚部骨折の危険因子である.このため足趾把持力の強化は観血的療法を要する転倒骨折の危険性を減少させる可能性がある.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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