icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科53巻8号

2018年08月発行

文献概要

臨床経験

知覚痛覚電気刺激検査を用いた肩関節疾患の疼痛評価

著者: 今野なお1 山本宣幸2 八田卓久2 三木俊1 上月正博1 井樋栄二2

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科機能医科学講座内部障害学分野 2東北大学大学院医学系研究科外科病態学講座 整形外科学分野

ページ範囲:P.737 - P.741

文献購入ページに移動
背景:疼痛評価に従来多く用いられる主観的評価は定量的評価ができない.そこで,知覚痛覚電気刺激検査で肩関節疾患患者の客観的疼痛評価が可能か否かを検討した.

対象と方法:凍結肩および腱板断裂患者165例に知覚痛覚電気刺激検査を行った.

結果:VASと痛み度の相関関係は,凍結肩では,運動時痛,夜間痛,安静時痛すべての疼痛で有意な中等度の正の相関を認めたが,腱板断裂では,いずれの疼痛においても有意な相関を認めなかった.

まとめ:知覚痛覚電気刺激検査は,凍結肩の疼痛評価に有用となりうる可能性が示唆された.

参考文献

1) Huskisson EC. Measurement of pain. Lancet 1974;9:1127-31.
2) 日本緩和医療学会(編).がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン.東京:金原出版;2010.p.29-36.
3) Wong DL, Hockenberry-Eaton M, Wilon D. Translations of FACES. Pain rating scale. Wongng Essentials of Pediatric Nursing;6th ed. St Louis;MO:Mosby;2001. p.1301.
4) 黒田晶子,神田 直.EuroQolにおけるQOL効用値とVisual Analogue Scaleの関係.脳卒中患者についての検討.日老医誌2007;44:264-6.
5) 瀬野晋一郎,加藤幸子,小林博子・他.電気刺激に対する体表面知覚閾値における性差および加齢の評価—知覚閾値の計測による糖尿病神経障害の早期発見の可能性.生体医工学2011;49:163-9.
6) 三木 俊.痛みと知覚を診るペインビジョン.Medical Technology 2017;45:982-9.
7) 前川紀雅,森本昌宏,森本充男・他.知覚・痛覚定量分析装置「Pain Vision」による痛みの評価は可能か? 帯状疱疹による痛みでの検討.日本臨床麻酔学雑誌2009;29:824-8.
8) 藤井真樹子,西江宏行,溝渕知司・他.神経障害痛に対するリドカイン点滴の鎮痛効果.ペインビジョンによる評価.日本ペインクリニック学会2014;21:124-8.
9) 近藤憲二.肩関節鏡検査の診断的意義について.日整会誌1984;58:74-5.
10) 福田宏明.肩峰下滑液包の臨床的意義.整形外科1981;32:971-80.
11) 山本宣幸,岡村健司,瀧内敏朗・他.腱板断裂患者の夜間痛について.アンケート調査ならびに肩峰下滑液包の圧測定.肩関節2003;27:259-62.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら