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誌上シンポジウム 外反母趾の成績不良例から学ぶ
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著者: 大関覚1
所属機関: 1獨協医科大学埼玉医療センター第1整形外科
ページ範囲:P.760 - P.760
文献購入ページに移動したがって,外反母趾手術では亜脱臼状態にあるMTP関節を整復し,変形の結果として起こっている関節拘縮を解離し,筋力のアンバランスを母趾の外反力が発揮できるように矯正し,前足部の横アーチを再建して体重が足底に偏りなく分散できるようにすることが求められる.しかし,中足骨骨切り術後に母趾MTP関節が選択できる位置は,周囲を腱によって連結されているため有限である.パラボラと呼ばれる中足骨頭の自然なつながりを再建することが,痛みや胼胝のない足部に矯正するには必須である.近年,足の外科で議論されてきた要件には,第2中足骨の長さに第1中足骨の機能長を合わせること,中足骨の回内変形を矯正し,正面X線写真で中足骨頭の遠位関節面が扁平にみえるようにすること,中足骨頭を種子骨の上方にくる位置まで戻すことなどが挙げられるが,その結果として外反母趾角や足部の縦横のアーチ形成も良好になった.また,足部専用に開発された固定金属も成績向上には大きく貢献している.
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