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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科54巻1号

2019年01月発行

文献概要

境界領域/知っておきたい

きずのきれいな治し方—術後の創部合併症を起こさないために

著者: 小川令1

所属機関: 1日本医科大学形成外科学教室

ページ範囲:P.72 - P.78

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 整形外科手術後の創部の合併症には,手術部位感染(surgical site infection:SSI)や肥厚性瘢痕(hypertrophic scars)がある.「きれいに」傷を治すためには,これらの発症機序を理解し,予防するための手術手技,とくに閉創手技を知る必要がある.手術部位感染を生じたら,壊死組織をつくってしまった可能性,肥厚性瘢痕を生じたら術後創部に張力が過剰にかかった可能性を考える必要がある.これらを予防するためには,脂肪組織に大きく糸をかけない,また日常動作で張力のかかる方向に切開線を一致させない,といった工夫が必要である.特に女性ホルモンの影響がある患者や皮膚に張力がかかる活動性の高い患者では傷が目立ちやすくなるため,手術手技の工夫が必要となる.

参考文献

1) Surgical Site Infection(SSI). Centers for Disease Control and Prevention. Available at online;http://www.cdc.gov/HAI/ssi/ssi.html.
2) Tredget EE. The molecular biology of fibroproliferative disorders of the skin:potential cytokine therapeutics. Ann Plast Surg 1994;33:152-4.
3) 小川 令,赤石諭史,秋田定伯・他.瘢痕・ケロイド治療研究会.ケロイド・肥厚性瘢痕.分類・評価ワーキンググループ.JSW Scar Scale.2015(ケロイド・肥厚性瘢痕分類・評価法) Available online at:http://www.scar-keloid.com/pdf/JSW_Scar_Scale_2015_JP.pdf
4) Ogawa R. Keloid and hypertrophic scars are the result of chronic inflammation in the reticular dermis. Int J Mol Sci 2017;18:E606. doi:10.3390/ijms.18030606.
5) Ogawa R, Akaishi S, Kuribayashi S, et al. Keloids and hypertrophic scars can now be cured completely:recent progress in our understanding of the pathogenesis of keloids and hypertrophic scars and the most promising current therapeutic strategy. J Nippon Med Sch 2016;83:46-53.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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