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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科54巻10号

2019年10月発行

文献概要

誌上シンポジウム がん診療×整形外科「がんロコモ」

なぜ整形外科医はがんを診ないのか?

著者: 森岡秀夫1

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構東京医療センター整形外科

ページ範囲:P.979 - P.983

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はじめに

 一般的に,整形外科という診療科が,がん診療に関わると思っている国民はどの程度存在するのだろうか.整形外科は,骨折や脱臼といった外傷と腰痛や関節痛などの愁訴を持った患者が通院する診療科であり,がん診療も行う科と考えている人は,ほとんどいないのではないかと思われる.これは,驚くべきことに,2004年から始まった新臨床研修制度を経てきた研修医や2018年から本格的に始まった新専門医制度の専攻医たちも同様である.またもしかすると,現在,がん診療に関わっている診療科においても,これを継承している医師が少なからずいるのではないかと危惧している.整形外科が,一般国民や医学知識を持っている医学生,医師などにとって,がんを診療する科と認識されていないことの問題は根深く,これが現在表面化してきた整形外科とがん診療の問題の本質ではないかと思われる.本稿では,整形外科とがん診療の関わりを中心に,このような考え方の原因を探る.

参考文献

1) 松本守雄,森岡秀夫.〔整形外科全体と俯瞰して〕がんロコモで変化する整形外科の存在意義—ロコモティブシンドロームの新たな展開.整形外科医が今日から始めるがんロコモ.東京.総合医学社,2019.
2) 中村耕三,吉村典子,阿久根徹・他.超高齢社会におけるロコモティブシンドロームの概念と定義.日本臨牀2014;72(10):1715-20.
3) 川井 章.がん診療トピックス 希少がん その臨床像と課題.医学のあゆみ2015;254(9):621-7.
4) 土屋弘行.新たな挑戦 がんとロコモティブシンドローム.CLINICIAN 2018;65(11-12)(669):962-6.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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