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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科54巻10号

2019年10月発行

文献概要

誌上シンポジウム がん診療×整形外科「がんロコモ」

がんに罹患するだけで運動機能は低下する—がん患者のロコモティブシンドローム

著者: 古矢丈雄1 佐藤雅1 牧聡1 志賀康浩1 宮本卓弥1 高岡宏光1 大鳥精司1

所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院整形外科学

ページ範囲:P.985 - P.989

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 がん患者の増加により,一般整形外科医にとってもがんの既往のある患者やがん治療中の患者を診療する機会は年々多くなっている.がん患者の運動機能を評価する目的で,外来通院中のがん患者に対しロコモ度テストを施行した.立ち上がりテスト,2ステップテストでは健常コントロール群と大きな差を認めなかったが,ロコモ25では有意にロコモ度が高いという結果であった.ロコモ度判定ではロコモ度1の患者が全体の34%(健常群33%),ロコモ度2は56%(健常群22%)と,健常群と比べてがん患者ではロコモの割合が高いことが明らかとなった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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