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整形外科/知ってるつもり
末梢性脊椎関節炎のエコー診断—意外と身近な脊椎関節炎を見逃さないために
著者: 岡野匡志1
所属機関: 1大阪市立大学整形外科
ページ範囲:P.1036 - P.1040
文献購入ページに移動脊椎関節炎(spondyloarthritis:SpA)は腱や靭帯の付着部に自己免疫性の炎症を起こす疾患である.脊椎関節炎の分類として,臨床症状の出現部位によって四肢などの末梢に生じる末梢性脊椎関節炎と,仙腸関節や脊椎に生じる体軸性脊椎関節炎に分類する場合と,乾癬性関節炎や強直性脊椎炎や炎症性腸疾患関節炎といった疾患名でサブグループに分類する場合がある.末梢性と体軸性の脊椎関節炎を同時に罹患する患者も存在し,それぞれが別の疾患であるというわけではない.また,一般的にはHLA-B27関連疾患とされているが,日本での陽性率は海外と比べてそれほど高くなく,HLA-B27以外ではHLA-B39・B51・B52・B61・B62の陽性率が一般人口に比べて有意に高いともいわれている.通常,リウマトイド因子や抗CCP抗体は陰性で,男性に多く,発症年齢は40歳未満の若年で発症するケースが多い.
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