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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科54巻10号

2019年10月発行

文献概要

臨床経験

Fixation first法による骨性槌指の治療経験

著者: 西島貴之1 岡﨑真人1 田崎憲一1 前田隆浩1

所属機関: 1医療法人財団荻窪病院整形外科

ページ範囲:P.1063 - P.1067

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 骨性槌指への手術において,石黒法では骨片が回転転位するなど関節面の整復に難渋することがある.そこで,骨片間とDIP関節を先に固定するfixation first法の治療成績を検討した.対象はfixation first法を施行した18例18指で(母指を除く),内訳は示指2,中指7,環指7,小指2指であった.骨折型はWehbe分類Type 1A:1,1B:8,2B:9だった.全例で骨癒合が得られ,1mm以上のgap,step offを残した症例はなかった.DIP関節の自動伸展が−7°±9°,自動屈曲が59°±14°で,蟹江の評価では優11,良2,可4,不可1だった.術後再転位など再手術を要した症例はなかった.fixation first法では関節面の適合性が得られやすく,最終観察時にも保持されていた.

参考文献

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2) 戸羽直樹,酒井昭典,沖本信和・他.骨性マレット指に対する石黒法における,整復位獲得と骨癒合に影響を及ぼす因子の検討.日手会誌2003;20(6):664-6.
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4) 真壁 光.関節内へのピンニングによって変形性関節症は生じるか?.整形外科 Surgical Technique 2016;6(4):414-7.
5) 坪川直人.骨接合固定法の選択 骨性マレット指に対する石黒法変法.MB Orthop 2012;25(4):41-5.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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