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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科54巻11号

2019年11月発行

文献概要

誌上シンポジウム 腰椎前方アプローチ—その光と影

緒言 フリーアクセス

著者: 松山幸弘1

所属機関: 1浜松医科大学整形外科学講座

ページ範囲:P.1088 - P.1088

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 世界に先駆けて腰椎前方アプローチを行ったのは昭和8年,京都大学の伊藤弘教授で,対象は脊椎カリエスに対してであった.それ以後脊椎感染症や腫瘍に対して腰椎への前方アプローチは継承され,さらには脊柱側弯症や腰椎変性疾患,外傷に対しても応用されてきた.現在使用可能となっている大きなケージを使用して椎体間乖離と矯正,そして脊柱管の除圧も可能とする側方侵入腰椎椎体間固定(LLIF)が登場してからは,皮膚切開も縮小し,出血も少量で済む低侵襲化が可能となってきた.

 日本における腰椎前方アプローチの歴史は長く,その長所,短所はよく理解されてきた.長所は直接椎体間を乖離でき,移植骨も比較的大きなものを入れることが可能であり,また脊髄高位では脊髄を前から除圧できる点にある.短所は大血管,腸,尿管など,障害すると生命を脅かす臓器が多く,術野が深くなり視野が悪い点であった.この短所は現在のLLIFが導入され,視野をよくする開創器が備わって,改善するかと思いきや,逆に合併症が多く発生しているように思える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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