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筋痙縮治療とボツリヌス療法のtips
著者: 八幡徹太郎1
所属機関: 1金沢大学大学院医薬保健学総合研究科・医薬保健学域医学類リハビリテーション医学
ページ範囲:P.1270 - P.1272
文献購入ページに移動痙縮は,錐体路系に対する抑制機構が不完全になることで現れる上位運動ニューロン徴候と説明されている.骨格筋に受動伸張を加えると,その最初だけ筋緊張抵抗を示すジャックナイフ現象は有名であり,その抵抗感の強弱は受動伸張速度に依存する.
痙縮は一方,実践臨床医による説明は,「上位運動ニューロンの病変がもたらす,間欠的ないし持続的に現れる骨格筋の不随意な過活動による協調運動障害」といった内容が多く,ジャックナイフ現象や速度依存性には必ずしも触れていない.臨床では,深部腱反射の亢進があってもジャックナイフ現象は不明瞭で,むしろ鉛管様(固縮)に近いなど,神経生理学的に理解する痙縮とは様相が異なることも多い.また,特に長期経過例ではしばしば筋緊張異常の過剰亢進や様相の複雑化も生じ,現象の説明がより難しくなる.
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