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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科54巻12号

2019年12月発行

文献概要

境界領域/知っておきたい

筋痙縮治療とボツリヌス療法のtips

著者: 八幡徹太郎1

所属機関: 1金沢大学大学院医薬保健学総合研究科・医薬保健学域医学類リハビリテーション医学

ページ範囲:P.1270 - P.1272

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痙縮—神経生理学的説明と実際の臨床症状

 痙縮は,錐体路系に対する抑制機構が不完全になることで現れる上位運動ニューロン徴候と説明されている.骨格筋に受動伸張を加えると,その最初だけ筋緊張抵抗を示すジャックナイフ現象は有名であり,その抵抗感の強弱は受動伸張速度に依存する.

 痙縮は一方,実践臨床医による説明は,「上位運動ニューロンの病変がもたらす,間欠的ないし持続的に現れる骨格筋の不随意な過活動による協調運動障害」といった内容が多く,ジャックナイフ現象や速度依存性には必ずしも触れていない.臨床では,深部腱反射の亢進があってもジャックナイフ現象は不明瞭で,むしろ鉛管様(固縮)に近いなど,神経生理学的に理解する痙縮とは様相が異なることも多い.また,特に長期経過例ではしばしば筋緊張異常の過剰亢進や様相の複雑化も生じ,現象の説明がより難しくなる.

参考文献

1) GSK社.医療者向け製品情報HP:ボトックス,資格取得のためのボトックスWEB講習・実技セミナー.https://gskpro.com/ja-jp/products-info/botox/all/seminar/
2) Eren A, Ozkan K, Unay K, et al. Botulinum toxin as a solution in voluntary hip dislocation after modular unipolar hemiarthroplasty. Orthopedics 2010;33(5). doi:10.3928/01477447-20100329-25.
3) Santamato A, Ranieri M, Panza F, et al. Botulinum toxin type A in the treatment of painful adductor muscle contracture after total hip arthroplasty. Orthopedics 2009;32(10). doi:10.3928/01477447-20090818-29.
4) Bhave A, Zywiel MG, Ulrich SD, et al. Botulinum toxin type A injections for the management of muscle tightness following total hip arthroplasty:a case series. J Orthop Surg Res 2009;4:34.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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