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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科54巻12号

2019年12月発行

文献概要

症例報告

びまん性特発性骨増殖症(DISH)に頚椎歯突起後方偽腫瘍を合併した4例

著者: 中村匠1 古川満1 田中信行1 武田太樹1 板橋正1 萩原健1 河野友祐1 菊池謙太郎1 奥山邦昌1

所属機関: 1静岡市立清水病院整形外科

ページ範囲:P.1293 - P.1297

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 頚椎歯突起後方偽腫瘍の治療法としては,一般的に除圧固定術が選択されることが多い.実際に固定術を行った症例では良好な成績が得られている.しかし,びまん性特発性骨増殖症(diffuse idiopathic skeletal hyperostosis:DISH)により骨性架橋で頚椎が多椎間で癒合している症例では,O-C2固定をした場合,頭部から頚部が可動できなくなり,嚥下障害を来すリスクがあることを念頭に置かなければならない.今回そのような症例に対しては,C1後弓切除術のみを施行した.最終観察時点において,臨床成績もよくMRIで除圧されていることが確認できた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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