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誌上シンポジウム サルコペニアと整形外科
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著者: 大鳥精司1
所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院整形外科学
ページ範囲:P.234 - P.234
文献購入ページに移動サルコぺニアの診断にあたり,dual energy x-ray absorptiometry(DXA)法がgold standardであった.1998年にBaumgartnerらは四肢の筋量値に注目し,サルコぺニアの明確な定義を提唱した.内臓を含む体幹筋量測定はDXAでは困難であるが,四肢の場合,脂肪量と骨量を除いて筋量とすることができるために四肢筋量を使用するのが一般的である.European Working Group on Sarcopenia in Older People(EWGSOP)は,6mの歩行テスト,筋量の測定,握力の測定結果による診断アルゴリズムを確立したが,この場合も筋量は下肢筋量を測定する.2014年ASIAN Working Group for Sarcopenia(AWGS)によってアジア人特有の診断基準が作成されたが同様である.以上から,体幹筋量をベースとしたサルコペニアの定義は存在しない.
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