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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科54巻3号

2019年03月発行

文献概要

症例報告

小児肘関節前方脱臼骨折(鉤状突起骨折・肘頭骨折)の1例

著者: 林健太郎1 栩木弘和1 梶川慶太1 丘雄介1 梅津太郎1 古川満1 菊池謙太郎1 奥山邦昌1

所属機関: 1静岡市立清水病院整形外科

ページ範囲:P.325 - P.329

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 患者は10歳女児で,走っていて転倒し左手をつき受傷した.左肘の疼痛を主訴に当院救急外来を受診し,単純X線像,CT像で肘関節前方脱臼骨折(尺骨鉤状突起骨折・肘頭骨折)の診断となった.徒手整復術を施行するも整復困難であり,観血的整復固を行った.仰臥位で後方アプローチで展開したところ整復を阻害をしていたのは鉤状突起骨片であり,縫合糸とKirschner鋼線で骨片の整復固定を行い,肘頭骨折に対して骨接合術を行った.術後26カ月で日本整形外科学会肘機能評価法は100点であり,良好な治療成績が得られた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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