文献詳細
文献概要
誌上シンポジウム 変形性膝関節症における関節温存手術
緒言 フリーアクセス
著者: 中村憲正1
所属機関: 1大阪保健医療大学保健医療学部・スポーツ医科学研究所
ページ範囲:P.552 - P.552
文献購入ページに移動近年,再生医療研究の進展により血液由来製剤や細胞治療などのいわゆるバイオセラピーと称される新たな治療法が開発され,新たな治療体系としての可能性が期待されている.もちろん,これらの治療のエビデンスはこれから蓄積されていくものであり,まだその真価は定まってはいない.しかしこれらの治療原理,作用機序,あるいは前臨床研究で明らかとなったことなどの知識を整理して習得することは意味のあることと考えられる.また,これらのバイオセラピーの効果を最大限に発揮させるためには,関節内の生物学的・力学的環境の最適化が重要である.加えて,進行期の変形性関節症では,下肢アライメントの異常による力学的にも異常な負荷がもたらされることが問題であり,これに対処する必要がある.脛骨,大腿骨,あるいは両者の骨切り術はアライメント矯正の手法として合理的な治療であるが,近年,インストゥルメンテーションを含む手術手技の改良により多様な矯正が,長期の後療法を必要とせずに可能となってきた.
掲載誌情報