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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科54巻6号

2019年06月発行

文献概要

症例報告

多列検出器CT(MDCT)による化膿性脊椎炎(PVO)の骨微細構造解析—1症例に対する縦断的解析

著者: 町田真理1 斉藤正史2 南郷脩史3 町田正文1

所属機関: 1横浜市立脳卒中神経脊椎センター脊椎脊髄外科 2大聖病院整形外科 3ラトックシステムエンジニアリング

ページ範囲:P.647 - P.651

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目的:化膿性脊椎炎(pyrogenic vertebral osteomyelitis:PVO)における骨微細構造の経時的変化をin-vivoに検証する.

対象と方法:PVOの罹患椎体を多列検出器CT(multi-detector raw CT:MDCT)により解析した.

結果:初診後1カ月時のMDCTでの骨微細構造では,T8終板の一部に消失を認め,容積骨密度(volumetric bone mineral density:vBMD)画像で下1/3の範囲に高密度を認めた.初診後2カ月後ではその変化が広範囲となり,骨梁石灰化度(tissue mineral density:TMD)も高値を示したが,骨量容積分率(bone volume/total volume:BV/TV)には著明な変化がなく,骨壊死と考えられた.

結語:MDCT画像からPVOの病態を解明することは,保存療法の限界,病巣搔爬の範囲を知るうえで有用である.

参考文献

1) Tali ET. Spinal infections. Eur J Radiol 2004;50(2):120-33.
2) 神保幸太郎,佐々木威治,田邉潤平・他.化膿性脊椎炎に対する罹患椎PPSを用いた後方固定術.整外と災外2016;65(3):429-33.
3) 町田正文,星野 端,河井卓也・他.骨微細構造を用いたFEM(μFEM)による骨粗鬆症椎体の強度評価.J Spine Res 2017;8(3):199.
4) 町田正文,南郷脩史.多列器CT(multi detector CT:MDCT)による骨粗鬆性椎体骨折(osteoporotic vertebral fracture:OVF)は予測可能か?—ex vivo and in vivo studies—.Osteoporos Jpn 2014;22(Suppl.1):281.
5) 町田正文,河井卓也,佐藤雅経・他.4D-MDCT(4 dimensional-multidetector-row-computed tomography)による椎体骨微細構造,骨強度からみた骨粗鬆症治療薬テリパラチド(TPTD)の効果判定.J Spine Res 2016;7(3):592.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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