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誌上シンポジウム 骨軟部腫瘍の薬物治療アップデート
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著者: 吉川秀樹1
所属機関: 1大阪大学
ページ範囲:P.658 - P.658
文献購入ページに移動骨代謝研究の成果により,転移性骨腫瘍に対するビスホスホネート製剤や,抗RANKL抗体(デノスマブ)などの破骨細胞をターゲットとした骨修飾薬による治療が開発されてきた.これらは,高カルシウム血症の是正や,溶骨性病変の進展阻害に有効であることが示されてきた.さらに,骨巨細胞腫に対するデノスマブ治療の有効性が示され,主として骨盤,脊椎などの切除不能例に使用され,著効例も報告されてきた.軟部肉腫に対しては,長年,新薬の開発はなされなかったが,2012年以降,新たな抗がん剤や分子標的治療薬が保険適応となり,軟部肉腫に対する二次治療として,新たな展開が期待されている.一方,デスモイドに対しては,広範切除術が基本であるが,手術後の再発率は高く,従来,消炎鎮痛薬,抗エストロゲン療法,メトトレキサートなどの薬物療法が試みられてきた.近年,種々の分子標的治療薬や瘢痕治療薬など新しい治療法による有効例が報告されてきた.
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