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人工股関節ロボット支援手術
著者: 菅野伸彦1 高尾正樹2 安藤渉1 濱田英敏2
所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科運動器医工学治療学寄附講座 2大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学講座
ページ範囲:P.831 - P.837
文献購入ページに移動人工股関節全置換術(total hip arthroplasty:THA)のロボット支援手術は,手術の一部を自動で行うactive systemであるROBODOC®(Integrated Surgical Systems, Inc.)が最初のシステムで,セメントレスステム設置の骨母床作成において,術前CTによる手術計画どおりに大腿骨髄腔をロボットアームで制御したミリングバーにより掘削するというものであった1).Active systemでは,外科医がロボットの動きを熟知していないとロボットアームの動作に対する適切な対応ができないため,軟部組織損傷のリスクがある2).一方で,外科医がロボットアームを手で動かして骨掘削をするsemi-active systemが開発された3).その1つであるMakoシステム(日本ストライカー)は,膝関節単顆置換術(unicompartmental knee arthroplasty:UKA)に応用され4),その後,寛骨臼リーミングやカップ設置角度の支援ができるようになっている5).Makoシステムを使用したTHAでは,カップ設置角度の精度が高く,手術手技の習得は術中X線透視法よりも容易で,脱臼などの合併症を減らし,術後の機能評価も優れていることが報告されている6,7).MakoシステムでのTHAは,2017年10月5日に薬事承認され,2018年8月から評価医療として臨床応用が始まった.筆者はMakoシステムでのTHAを経験したので,その手技や初期の臨床経過について紹介する.
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