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脊髄性筋萎縮症の診断と治療
著者: 小牧宏文1
所属機関: 1国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター
ページ範囲:P.59 - P.65
文献購入ページに移動脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy:SMA)は運動神経細胞の脱落に起因する筋力低下を主症状とする常染色体劣性疾患である.1891年に初めて報告され,1995年に原因遺伝子SMN (survival motor neuron)1として同定された.発症は出生前から成人期まで幅広く,発症時期や最大獲得運動機能といった臨床的特徴によりⅠ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ型の4型に分類される1).SMN1の相同遺伝子であるSMN2を標的とし,スプライシングを制御するアンチセンス核酸の髄腔内投与による治療が2016年に米国で承認され,その後,日本を含む多くの国で使用されるようになっている.またウイルスベクターを用いた遺伝子治療が2019年に米国で承認を受けた.本総説ではSMAの概要とともに,整形外科医が関与する事項にも焦点を当てて解説する.
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