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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科55巻10号

2020年10月発行

臨床経験

癌治療科主治医は癌の脊椎転移に対し,脊椎外科医に何を期待しているのか?—当院の意識調査から

著者: 田中誠人1 重松英樹1 城戸顕2 川崎佐智子1 須賀佑麿1 山本雄介1 田中康仁1

所属機関: 1奈良県立医科大学整形外科 2奈良県立医科大学リハビリテーション科

ページ範囲:P.1127 - P.1131

文献概要

背景:当院では院内の骨転移患者の早期把握に努めてきた.しかし,現状の方法ではまだ不十分な印象がある.

方法:当院のがん診療科主治医に対して,脊椎転移患者に関するアンケートを行った.

結果:脊椎転移の診療経験は74%であり,その多くは治療方針に難渋していた.キャンサーボード(CB)の認知度は42%であり,活動内容の認知度,症例提示の経験はさらに少なかった.

まとめ:CBの認知度は低く,脊椎転移患者への早期対応が十分ではないことが判明した.CBの周知徹底と対応窓口を新たに設置する必要があると考えた.

参考文献

1) 高木辰哉.がんロコモの展望.がん骨転移に対する包括的診療.職種・診療科横断的アプローチ.整・災外2019;62(7):851-61.
2) 田中誠人,重松英樹,宮坂俊輝・他.経験と考察 転移性脊椎腫瘍の早期発見・介入をめざす院内CT・MRI画像診断との連携システムの試み.整形外科2017;68(11):1147-50.
3) 山家健作,遠藤宏治,尾崎まり・他.経験と考察 骨転移診療についてのアンケート調査.整形外科以外の医師に対して.整形外科2018;69(1):22-7.
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5) 森本忠嗣,園畑素樹,馬渡正明.転移性脊椎腫瘍に対する最小侵襲脊椎安定術(MISt).転移性脊椎腫瘍に対する集学的治療への試み.整形外科最小侵襲手術ジャーナル2017;84:69-77.
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8) 古矢丈雄,牧 聡,志賀康浩.骨転移集学的診療における整形外科へのニーズと役割.別冊整形外科2019;76(1):28-31.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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