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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科55巻10号

2020年10月発行

文献概要

症例報告

骨髄炎と鑑別を要した母趾末節骨類骨骨腫の1例

著者: 本橋正隆1 小柳広高1 瀬川裕子1 佐藤信吾1 大西威一郎2 吉井俊貴1 大川淳1

所属機関: 1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科整形外科学分野 2東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科包括病理学分野

ページ範囲:P.1173 - P.1176

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 骨髄炎と鑑別を要した母趾末節骨類骨骨腫を経験したので報告する.症例は8歳男児で,母趾爪の横径肥大および母趾のばち指様変化,疼痛を主訴に受診した.単純X線,CTから母趾末節骨の慢性骨髄炎または類骨骨腫などの腫瘍性病変を疑い,病巣搔爬術を施行した.術中細菌培養は陰性であり,病理診断は類骨骨腫であった.術翌日から疼痛は速やかに改善し,術後4カ月の現在,腫瘍の再発は認めず経過良好である.足趾末節骨に発生する類骨骨腫は稀だが,骨髄炎など他疾患との鑑別に難渋する場合があり,念頭に置く必要がある.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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