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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科55巻12号

2020年12月発行

文献概要

連載 やりなおし! 医療制度 基本のき・12【最終回】

応招義務と医師の働き方改革

著者: 奥村栄次郎12

所属機関: 1日本臨床整形外科学会 2奥村整形外科

ページ範囲:P.1350 - P.1351

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 応招義務の解釈が変わった.「診療に従事する医師は,診療治療の求があった場合には,正当な事由がなければ,これを拒んではならない」という医師法19条1項の解釈は,昭和24年厚生省通知が長きにわたり基本であった.しかし,これが勤務医の過重労働の要因になっていることと,昭和24年当時とは国民への医療提供体制が著しく変わったことから,令和元年12月25日厚生労働省通達により解釈の基本が変わったのである1)

 旧解釈では,休診日であっても急患に対する対応は解除されるものではないとされていたが,新解釈では,診療時間外・勤務時間外であることを理由に診療を拒否しても応招義務違反に当たらないと,正反対の要件変更となった.他に新解釈には,応招義務は医師が国に対して負担する公法上の義務で,患者に対する私法上の義務ではないということと,医師が労働基準法に違反することを理由に診療を拒否しても応招義務違反に当たらないということが明記された.

参考文献

1) 厚生労働省.応招義務をはじめとした診察治療の求めに対する適切な対応の在り方等について(医政発1225第4号令和元年12月25日).2019. https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000581246.pdf(2020年10月30日アクセス)
2) 厚生労働省.医師の働き方改革について(第1回医療政策研修会第1回地域医療構想アドバイザー会議資料.令和元年6月7日). https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000516867.pdf(2020年10月30日アクセス)
3) 厚生労働省.令和元年医師の勤務実態調査.2020. https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000652880.pdf(2020年10月30日アクセス)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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