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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科55巻12号

2020年12月発行

文献概要

症例報告

成人脳性麻痺股関節二次障害に対する筋解離術により歩行能力が改善した2例

著者: 西山正紀1 多喜祥子1 西村淑子2 山田総平1 堀川一浩2 二井英二3

所属機関: 1国立病院機構三重病院整形外科 2三重県立子ども心身発達医療センター整形外科 3鈴鹿医療科学大学理学療法学科

ページ範囲:P.1359 - P.1362

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 成人脳性麻痺における股関節亜脱臼,変形性股関節症などの二次障害に対し,股関節を中心に筋解離術を施行し,関節症の改善により歩行器歩行能力の向上した,43歳と35歳の2症例を経験した.筋解離術は早期の関節症の進行を遅らせるか,停止させ得る可能性や,進行した関節症に対する除痛効果を認めた.脳性麻痺であり,多関節にわたる下肢全体の筋緊張緩和も関節周囲筋の痙縮,拘縮による関節内圧上昇を軽減する重要な要素である.成人脳性麻痺においても筋緊張を評価し筋解離の範囲を定めれば,筋解離術は有用な術式と考える.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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