icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科55巻3号

2020年03月発行

文献概要

臨床経験

肩関節下垂位外旋動作における肩関節上方組織の伸長性評価—超音波診断装置による検討

著者: 伊藤創12 葉清規1 室伏祐介3 松田陽子1 川上照彦2

所属機関: 1医療法人社団おると会浜脇整形外科リハビリセンターリハビリテーション科 2吉備国際大学大学院保健科学研究科 3東都大学幕張ヒューマンケア学部 理学療法学科

ページ範囲:P.283 - P.286

文献購入ページに移動
背景:肩関節上方組織の伸長性と外旋可動域は関連があるとされているが,客観的指標を用いて評価を行った報告はない.本研究の目的は,肩関節上方組織の伸長性を評価することで,外旋制限の要因特定,治療効果判定の指標とすることである.

対象と方法:対象は健常成人とし,超音波診断装置を用い,中間位・外旋位での上方組織計測の信頼性および伸長性の差を検討した.

結果:中間位,外旋位での上方組織の長さ,厚さの計測は,高い信頼性が得られ,外旋動作で上方組織の長さは有意に増加した.

まとめ:外旋動作では肩関節上方組織の長さのみ増加した.

参考文献

1) Boissonnault WG, Janos SC. Dysfunction, evaluation, and treatment of the shoulder. In:Donatelli R, Wooden MJ (eds)., Orthopaedic Physical Therapy, 3rd ed, New York, Churchill Livingstone, 2001, p.144-65.
2) 西川仁史.肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)の理学療法.理学療法2006;23(12):1617-26.
3) 熊谷 純,佐藤克巳.肩関節拘縮の病態と治療.一次性拘縮(いわゆる五十肩)について.MB Orthop 2002;15(10):50-6.
4) 林 典雄,鵜飼建志,赤羽根良和・他.夜間痛を合併する肩関節周囲炎の可動域制限の特徴とX線学的検討.運動療法への展開.J Clin Phys Ther 2004;7:1-5.
5) 浦川 潤,村上元庸,福田眞輔.五十肩の超音波検査所見.烏口上腕靱帯を中心に.肩関節 1993;17:192-6.
6) Tandon A, Dewan S, Bhatt S, et al. Sonography in diagnosis of adhesive capsulitis of the shoulder:a case-control study. J Ultrasound 2017;20(3):227-36.
7) 米本恭三,石神重信,近藤 徹.関節可動域表示ならびに測定法.リハビリテーション医学1995;32(4):207-17.
8) Wu CH, Chen WS, Wang TG. Elasticity of the coracohumeral ligament in patients with adhesive capsulitis of the shoulder. Radiology 2016;278(2):458-64.
9) 水本 篤,竹内 理.研究論文における効果量の報告のために.基礎的概念と注意点.英語教育研究2008;31:57-66.
10) Landis JR, Koch GG. The measurement of observer agreement for categorical data. Biometrics 1977;33(1):159-74.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら