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これでわかる!抗菌薬選択トレーニング—感受性検査を読み解けば処方が変わる フリーアクセス
著者: 青木眞
所属機関:
ページ範囲:P.389 - P.389
文献購入ページに移動にもかかわらず,広域抗菌薬の代表とも言えるカルバペネム系抗菌薬の消費が,日本だけで世界の7割を占めるという状況から,(一部の意識の高い施設を除いて)大きく変わった印象が現場に少ない.もちろん,最大の原因は「感染症診療の原則とその文化」の広がりが均一でないことによる.しかし,さらに突き詰めると,実は「抗菌薬感受性検査の読み方」が十分に教育できていないことも大きな理由の1つである.感受性検査の結果をS,I,Rに分類して単純に「Sを選ぶ」ことに疑問を抱かない問題と言ってもよい.1つひとつの症例で,ある抗菌薬が選ばれる背景には,感受性が「S」であること以外にも,微生物学的・臨床的・疫学的など多くの理由がある.その理解なしに,適切な抗菌薬の選択は不可能あるいは危険なのである.評者も,群馬大におられた佐竹幸子先生らとともにNPO法人EBICセミナーの一環として「抗菌薬感受性検査の読み方」シリーズを10年以上にわたり講義してきた.その講義は現在,日本感染症教育研究会(通称IDATEN)に引き継がれている.しかし,そのエッセンスを伝える書物は本書の発行まで皆無であった.
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