臨床整形外科55巻5号

2020年05月発行

増大号特集 臨床整形超音波学—エコー新時代、到来。 5　達人オススメ！　PTに学ぶ身体所見

4　脊椎・体幹

著者： 増渕喜秋¹³ 武田淳也¹²³⁴

所属機関： ¹医療法人明和会　整形外科スポーツ・栄養クリニック代官山 ²医療法人明和会　整形外科スポーツ・栄養クリニック福岡 ³Pilates Lab代官山 ⁴Pilates Lab福岡

ページ範囲：P.641 - P.650

POINT

★メカニカルストレスによる脊椎疾患は，局所の過可動性と隣接部の低可動性が主因となる．

★脊柱のneutralポジションと機能的な動きのゴールは，腰椎骨盤帯と頚椎の安定性の向上および胸椎と股関節の可動性の向上である．

★体幹機能不全が筋力低下の問題か，可動性低下の問題か，認知または筋出力調整のモーターコントロール不全の問題か，その割合を見極めて対応する．

参考文献

1) 成田崇矢．腰部障害のMotor Control機能評価と対処方法．MB Orthpaedics 2018；31(12)：45-50．

2) 西上智彦．腰痛が生じるメカニズム．赤坂清和，竹林庸雄(監修)．痛みの理学療法シリーズ．非特異的腰痛のリハビリテーション．東京：羊土社；2018．p.31-5．

3) White AA 3rd, Panjabi MM. The basic kinematics of the human spine. A review of past and current knowledge. Spine (Phila Pa 1976) 1978;3(1):12-20.

4) 中村利孝．標準整形外科学　第13版．東京：医学書院；2016．

5) 金井　章．運動科学の概念に基づく筋機能に着目した歩行動作の捉え方．理学療法2018；35(10)：900-7．

6) 隈元庸夫・他．脊柱のバイオメカニクス的理解のポイント．理学療法2018；35(8)：683-92．

7) Neumann DA. Kinesiology of the Musculoskeletal System:Foundations for Physical Rehabilitation. St.Louis:Mosby;2002. p.242-310.

8) 武田淳也．応用：体幹motor control不全—評価と改善策　武田流．西良浩一，石井　賢(編集)．匠が伝える低侵襲脊椎外科の奥義．東京：メジカルビュー；2019．p.106-24．

9) 大久保雄．体幹筋トレーニングのエビデンス．金岡恒治(編著)．スポーツ障害予防と治療のための体幹モーターコントロール．東京：中外医学社；2019．p12-29．

10) 増渕喜秋，武田淳也．体幹リハの基本理論：elongation and articulation．西良浩一・石井　賢(編集)．匠が伝える低侵襲脊椎外科の奥義．東京：メジカルビュー；2019．p.23-36．