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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科55巻6号

2020年06月発行

文献概要

特集 各種骨盤骨切り術とそのメリット

寛骨臼移動術の特徴とそのメリット

著者: 本村悟朗1 中島康晴1

所属機関: 1九州大学大学院医学研究院整形外科教室

ページ範囲:P.689 - P.692

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 寛骨臼移動術(transposition osteotomy of the acetabulum:TOA)は1956年に西尾によって考案された骨盤骨切り術であり,寛骨臼を外側から掘り出し回転移動させる術式である.原法では大転子の切離を行い腸骨外板を露出させることにより,良好な視野の下で骨切りすることが可能となり,骨切り後の回転移動も行いやすくなる.大転子切離を行うことで得られるメリットがある一方で,術後は大転子部の骨癒合も考慮した後療法が必要である.そこで,2011年から大転子切離を行わずに関節の前後方向から腸骨外板の骨切りを行うことを試み,現在は標準術式として行っている.

参考文献

1) 西尾篤人.先天性股関節脱臼に対する髀臼移動による観血的整復術.日整会誌1956;30:482-4.
2) Hamai S, Kohno Y, Hara D, et al. Minimum 10-year clinical outcomes after periacetabular osteotomy for advanced osteoarthritis due to hip dysplasia. Orthopedics 2018;413(5):300-5.
3) 中島康晴,大石正信,秋山美緒・他.外側進入periacetabular osteotomyにおける外転筋侵襲低減の試み.Hip Joint 2014;40:53-9.
4) Fujii M, Nakashima Y, Noguchi Y, et al. Effect of intra-articular lesions on the outcome of periacetabular osteotomy in patients with symptomatic hip dysplasia. J Bone Joint Surg Br 2011;93(11):1449-56.
5) Matsuo A, Jingushi S, Nakashima Y, et al. Transposition osteotomy of the acetabulum for advanced-stage osteoarthritis of the hips. J Orthop Sci 2009;14(3):266-73.
6) 野口康男,神宮司誠也,首藤敏秀・他.骨を丸く切る工夫.Hip Joint 2000;26:67-70.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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