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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科55巻6号

2020年06月発行

文献概要

症例報告

MRI上腫瘍性病変が明瞭ではない胸腰椎椎体骨折を初発とした多発性骨髄腫の経験

著者: 向畑智仁1 木下知明1 鎌田尊人1 中村伸一郎1

所属機関: 1習志野第一病院整形外科

ページ範囲:P.767 - P.771

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目的:胸腰椎椎体骨折を初発とし,MRI上,腫瘍性病変が明瞭ではない多発性骨髄腫を3例経験したので報告する.

対象と方法:当院で胸腰椎椎体骨折と診断された患者のうち,多発性骨髄腫であった症例のMRIを調査した.

結果:胸腰椎椎体骨折4,344例の内,多発性骨髄腫は9例であった.そのうち3例ではMRI上,腫瘍性病変を示唆する所見は明瞭ではなかった.

考察:多発性骨髄腫は初期にはMRI上,腫瘍性病変の存在が不明瞭なことがある.良性の骨粗鬆性椎体骨折と考えられる症例であっても,多発性骨髄腫の可能性を念頭に置き診断にあたる必要がある.

参考文献

1) 戸田 雄,森本忠嗣,塚本正紹・他.多発性骨髄腫の初期診断における整形外科の関与.整外と災外66(4):912-6,2017.
2) 日本血液学会(編).造血器腫瘍診療ガイドライン2018年度版.東京:金原出版;2018.
3) 楊 鴻生.多発性骨髄腫(multiple myeloma:MM).骨粗鬆症治療2005;4(2):160-1.
4) Lecouvet FE, Malghem J, Michaux L, et al. Vertebral compression fractures in multiple myeloma Part 1. Distribution and appearance at MR imaging. Radiology 1997;204(1):195-9.
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6) がん情報サービス.全国がん罹患モニタリング集計.国立がん研究センターがん対策情報センター.http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/brochure/monitoring.html

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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