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視座
Surgeon Scientistのすゝめ
著者: 宮本健史1
所属機関: 1熊本大学大学院生命科学研究部総合医薬科学部門感覚・運動医学講座整形外科学分野
ページ範囲:P.3 - P.3
文献購入ページに移動「研究」というと臨床とは関係ない,診療とは離れた自分とは無縁の世界のことのように感じている者も少なからずいるような気もしている.しかし,何も難病的な難しい疾患ばかりではなく,普段の診療でよく遭遇するCommon diseaseや手術手技にも小さな挑戦や改良があってもよく,日常診療で受け持った患者から学ぶことも多い.そうしたことを勉強したり記載したり,時に発表する.それはもはや研究であり「science」である.そうした取り組みをしない,あるいはおろそかにする人は,診療医としての成長も見込めない.当初,横一線でスタートした同級生の中でも,そうした小さな積み重ねを実践し継続する者としない者とで,ある期間が経過したときに,臨床力に大きな差がついてしまうことは自明である.こうした小さな取り組みの延長に,大学院や学位研究があってもよいし,あるいはそうした学位研究をきっかけに,興味あるテーマや,ライフワークになるような課題を見つけ,深く追究してもよいだろう.学びの楽しさに目覚めると,そもそも医師は知的好奇心が旺盛な人が多く,整形外科医には凝り性な人も多いので,ハマったり継続したりすると,そのうちそうした領域のエキスパートになっていることもある意味納得である.
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