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皮膚科からみた乾癬性関節炎の実際
著者: 今福信一1
所属機関: 1福岡大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.88 - P.90
文献購入ページに移動乾癬は,皮膚病の分類では炎症性角化症という項目に入り,後天的に炎症によって皮膚の角化に異常が生じる状態とおおまかに理解されている.体を保護する体毛を失ったヒトの表皮は他の動物と比べ極めて厚くなっており,垢となって剥がれ落ちるまでに6週間という長い時間をかけてゆっくり角質へと分化(角化)する.ある種の炎症を伴うと,この角化の過程が促進され,十分に成熟しないまま皮膚が脱落するという現象が生じる.乾癬の皮疹部ではそのサイクルが4〜7日に短縮している.乾癬は皮膚の病気であるが,乾癬を発症する患者には独特の全身的な背景がある.またその背景がさまざまな合併症を発症させるが,乾癬性関節炎(psoriatic arthritis:PsA)はその中で最も重要なものである.
本稿では皮膚科医からみた関節炎を有する患者の特徴について述べる.PsAの病変に関する詳細は多くのリウマチ科,整形外科の解説があるのでそちらを参照してほしい.
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