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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科56巻10号

2021年10月発行

文献概要

臨床経験

手関節部自損症例の検討

著者: 塚本義博1 藤田俊史1 橋村卓実1

所属機関: 1神戸市立医療センター中央市民病院整形外科

ページ範囲:P.1299 - P.1304

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背景:手関節部自損症例の治療実態について調査し問題点を検討した.

対象と方法:2011年7月〜2019年12月に,当科で手関節部自損として手術を行った全症例25例(男11例,女14例)を対象とし,患者背景,損傷組織と手術内容,術後経過について調査した.

結果:背景の精神科疾患は多岐にわたり,すべて深創例の症例であった.手術では全例で損傷組織の修復ができていたが,最終機能評価は十分に取れていなかった.

まとめ:長期間経過観察を継続し,社会復帰に際して顕在化する手機能障害まで予後を評価していくことが必要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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