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あとがき
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著者:
仁木久照
所属機関:
ページ範囲:P.1314 - P.1314
今や時の人となった二刀流の大リーガー,エンゼルスの大谷翔平選手の大活躍は連日のように報道され,二盗失敗でさえトップページで話題になります.そんな中,平成の怪物 松坂大輔選手が引退を表明しました.松坂選手といえば,とにかく名場面のオンパレードでした.横浜高校での甲子園春夏連覇,特に夏の準々決勝からの3試合は野球漫画の世界でした.準々決勝では6点差をひっくり返しての逆転サヨナラ勝ち,決勝ではノーヒットノーランで優勝.プロでは,当時オリックスのイチロー選手との初対決で3打席連続三振を奪い,「プロでやれる自信から確信に変わりました」とコメント.MLBレッドソックスでは2年連続での二桁勝利を挙げ,ワールドシリーズでは日本人初の勝利投手.ファンの1人として「ありがとう」と頭を下げるしかない大活躍でした.帰国後は度重なる故障に見舞われ,再起を目指したものの,遂に引退.これほど印象深く,記憶と記録に残る怪物はめったに出てこないでしょう.本当にご苦労様でした.
でも,今度は野球漫画の世界をはるかに上回る怪物があらわれました.本稿執筆時点で,160kmの球を投げてチームトップの勝利数,打てばMLB両リーグトップの40号ホームラン,20盗塁も間近,MVP確実といわれるスーパーヒーローの誕生です.そして何より,いつも楽しそうに野球に取り組んでいる態度と笑顔がとても魅力的です.コロナ禍で暗いニュースばかりの日本で,大きな期待感と勇気を人々に与えるヒーローが登場したことに感謝の気持ちでいっぱいです.日本人のみならず,米国人のハートもわしづかみにしている大谷選手のますますの活躍を心から楽しみにしております.