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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科56巻12号

2021年12月発行

文献概要

特集 整形外科手術に活かす! 創傷治療最新ストラテジー

ケロイド・肥厚性瘢痕の原因と治療

著者: 小川令1

所属機関: 1日本医科大学形成外科学教室

ページ範囲:P.1479 - P.1484

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 ケロイド・肥厚性瘢痕は,創傷部位すなわち創傷治癒過程で生じた肉芽組織から形成された真皮様組織や周囲皮膚の真皮で持続する炎症により発症・増悪する.この炎症は張力で悪化することが知られており,関節部位の手術創から生じたケロイド・肥厚性瘢痕はリハビリテーションでさらに悪化し難治となる.ケロイド・肥厚性瘢痕を予防するためには,切開線の向きや縫合方法を理論的に考えることが大切である.さらに術後創を安静に保ち,炎症をできるだけ早期に収束させることが重要である.ケロイド・肥厚性瘢痕を発症した場合は,まず副腎皮質ステロイドテープ剤による治療を行う.種々の要因で効果が得られにくい場合は,専門的加療ができる施設で,手術および術後放射線治療などが行われる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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