icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科56巻12号

2021年12月発行

文献概要

症例報告

橈骨遠位端骨折に伴い,尺骨茎状突起骨片が遠位橈尺関節内に陥入した1例

著者: 北村昂己1 高橋仁1 新井隆仁1 佐久間詳浩1 高山篤也1

所属機関: 1医療法人社団景翠会金沢病院

ページ範囲:P.1515 - P.1519

文献購入ページに移動
 橈骨遠位端骨折に伴い,尺骨茎状突起骨片が遠位橈尺関節内に陥入した症例を経験したので報告する.86歳女性,屋内で転倒し受傷.画像所見で左橈骨遠位端骨折と,遠位橈尺関節内に陥入する骨片を認めた.術中所見で,三角線維軟骨複合体と連続している尺骨茎状突起骨片が,遠位橈尺関節に陥入していることが確認され,整復内固定し,遠位橈尺関節の不安定性は改善した.陥入するメカニズムは,橈骨遠位端の骨片の橈側,近位への転位により,三角線維軟骨複合体を介した茎状突起が遠位橈尺関節内に陥入したと推測した.

参考文献

1) Sammer DM, Chung KC. Management of the distal radioulnar joint and ulnar styloid fracture. Hand Clin 2012;28(2):199-206.
2) 新井 健,別所雅彦,柳原 泰・他.定量的CT画像を用いた3次元有限要素法による橈骨遠位端骨折に合併する尺骨茎状突起骨折発生機転の解析.日手会誌2019;36(2):103-5.
3) Pidgeon TS, Crisco JJ, Waryasz GR, et al. Ulnar styloid base fractures cause distal radioulnar joint instability in a cadaveric model. Hand (NY) 2018;13(1):65-73.
4) Logan AJ, Lindau TR. The management of distal ulnar fractures in adults:a review of the literature and recommendations for treatment. Strategies Trauma Limb Reconstr 2008;3(2):49-56.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら