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日本におけるCadaver Surgical Training(CST)の現状と課題—外科系全般
著者: 八木沼洋行1
所属機関: 1福島県立医科大学医学部神経解剖・発生学講座
ページ範囲:P.186 - P.189
文献購入ページに移動より安全で高度な医療を国民に提供するため,日本国内でも合法的に遺体を用いた手術手技研修が行えるようにしてほしいという声の高まりを受けて,2012年(平成24年)に日本外科学会と日本解剖学会が連名で「臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン」(以下,ガイドライン)を策定し公開した1).これを契機に本邦における献体遺体を用いた臨床手技研修(cadaver surgical training:CST)の実施大学数,研修数とも,年々増加している.しかし一方,さまざまな課題によってCSTの実施に至っていない大学も多い.
筆者は解剖学会側委員としてガイドライン策定に関わり,公表後は所属する大学内の各種組織の立ち上げや献体登録者からの同意書の再取得などCSTの実施に至る実務を経験している.また,日本外科学会CST推進委員会委員として,各大学から提出されたCST実施報告書の審査やガイドラインの改訂にも関わってきた.本稿では,それらの経験も踏まえて,日本におけるCSTの現状と課題について解説し,その解決の方策について考察する.
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