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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科56巻3号

2021年03月発行

文献概要

臨床経験

転移性骨腫瘍に対するリエゾン治療体制構築の効果と問題点

著者: 吉岡克人1 池田和夫1 納村直希1 髙田泰史1 竹内裕1

所属機関: 1国立病院機構金沢医療センター整形外科

ページ範囲:P.295 - P.300

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背景:転移性骨腫瘍に対するリエゾン治療や骨転移キャンサーボードなどの有用性が報告されているが,その恩恵は大学病院などの一部の施設に限られている.

目的:市中病院における転移性骨腫瘍に対するリエゾン治療の効果を検討すること.

対象と方法:リエゾン治療開始前5年間と開始後1年間の転移性脊椎腫瘍に対する治療内容を比較した.

結果:リエゾン治療開始後1年間の画像スクリーニングで,82例を新規骨転移症例(転移性脊椎腫瘍69例)と診断し,8例に手術加療を行った.

まとめ:リエゾン治療により多職種間の良好な関係が構築され,骨転移に関する情報を院内で共有でき,早期治療につながった.

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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