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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科56巻5号

2021年05月発行

文献概要

増大号特集 整形外科 外来・当直 エマージェンシーマニュアル 外傷編

外傷初期診療のみかた/[COLUMN]いつでも,どこでも基本はJATEC

著者: 鈴木雅生1 塩田浩平1

所属機関: 1順天堂大学浦安病院整形外科/手外科,外傷再建センター

ページ範囲:P.429 - P.440

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基本方針

 脳は頭蓋骨,肺・心臓は胸郭,腹部臓器は腹腔・後腹膜腔という“ブラックボックス”に囲まれて存在しているため,その外見上の損傷よりも実際の臓器損傷は大きい傾向にある.そのため損傷を過小評価しやすく,ひとたび見逃すと致命的となる.

 われわれ整形外科医は四肢外傷治療を専門とするため,変形や損傷が目立つ四肢に目をとられがちになる.しかし,四肢外傷が出血性ショック以外で致命的となることはない.たとえ血行再建を必要とするGustilo分類3Cの開放骨折であったとしても,「頭部体幹損傷のほうがGolden hourが短い」ということをわれわれ整形外科医は忘れてはいけない.

 

*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2026年5月まで)。

参考文献

1) 日本外傷学会.外傷初期診療ガイドライン(JATEC).改訂第5版.東京:ヘルス出版;2016.
2) Foreman A, de Almeida JR, Gilbert R, et al. The Allen's test:revisiting the importance of bidirectional testing to determine candidacy and design of radial forearm free flap harvest in the era of trans radial endovascular access procedures. J Otolaryngol Head Neck Surg 2015;44:47. https://doi.org/10.1186/s40463-015-0096-0
3) 土田芳彦.重度四肢外傷の標準的治療(Japan Strategy).東京:南江堂;2017.
4) 田島康介.救急整形外傷レジデントマニュアル.東京:医学書院;2013.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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