文献詳細
文献概要
増大号特集 整形外科 外来・当直 エマージェンシーマニュアル 外傷編 上腕—肘の外傷
上腕骨骨幹部骨折
著者: 島村安則1
所属機関: 1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科運動器スポーツ医学講座(整形外科)
ページ範囲:P.465 - P.467
文献購入ページに移動疼痛部位・変形:上腕中央付近での腫脹ならびに強い疼痛を認める.時には「肩痛」「肘痛」などの主訴で来院することもあるため,上腕骨近位部ならびに肘関節部を直接触診し,同部に痛みがないことを確認する.なお多発骨折の場合では骨折部で大きく変形・回旋していることもあるが,単発骨折の場合は上肢の自重により比較的外観上の変形は少ない.
受傷機転:本骨折は主に2つの受傷機転がある.1つは交通事故や墜落など高エネルギーにより生じる場合である.もう1つは野球における全力送球や腕相撲といった,上腕の捻転力によるものである.したがって比較的若い年齢層に発生しやすいとされるが,高齢者など骨脆弱性を伴う場合にも生じることがある.
掲載誌情報